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相続税の基本

目次

相続税とは何か

相続税は、ある人が亡くなった際に、その人の遺産を引き継ぐ人が支払う税金です。

遺産には不動産、預金、株式など、さまざまな資産が含まれます。

日本では、相続税の対象となる遺産の価値が基礎控除額を超える場合にのみ、相続税が課されます。

相続税の計算方法

相続税の計算は、遺産総額から各種控除を差し引いた後の金額に対して行われます。

控除には以下のような項目があります。

  1. 基礎控除

    • 相続税が課税される最低限度の遺産額を定める控除。基礎控除額は相続人の数に応じて増加します。
  2. 債務控除

    • 故人の負っていた債務。遺産から故人の借金や諸費用を差し引くことができます。
  3. 葬式費用控除

    • 葬儀にかかった費用。一定の範囲内で相続財産から控除可能です。
  4. 配偶者控除

    • 配偶者に対しては、一定額までの相続財産が非課税となる特別な控除。
  5. 特別控除(未成年者、障害者等)

    • 未成年者や障害を持つ相続人に対する追加の控除。
  6. 小規模宅地等の特例控除

    • 自宅や事業用の不動産など、特定の宅地に対する評価額の控除。
  7. 生命保険金・退職手当の控除

    • 生命保険金や退職手当など、一定限度内で控除される特別な資産。
  8. 公益法人等への寄付控除

    • 公益法人や宗教法人などへの寄付は、一定条件の下で控除対象となり得ます。

残った金額に対して税率が適用され、税額が算出されます。

基礎控除とは

基礎控除とは、相続税が課されない遺産の金額のことを指します。

これは、相続人の数と法定相続分に応じて計算されます。

相続人の数基礎控除額
1人3,000万円+600万円 × 法定相続人の数1名=3,600万円
2人3,000万円+600万円 × 法定相続人の数2名=4,200万円
3人3,000万円+600万円 × 法定相続人の数3名=4,800万円

この控除額を超える部分についてのみ、相続税が課されることになります。

相続税の税率

相続税の税率は、相続財産の総額によって異なります。

税率は10%から最高55%まであり、相続財産が多いほど高い税率が適用されます。

相続額の範囲税率控除額
1,000万円以下10%0円
1,000万円超 3,000万円以下15%50万円
3,000万円超 5,000万円以下20%200万円
5,000万円超 1億円以下30%700万円
1億円超 3億円以下40%1,700万円
3億円超 6億円以下45%4,200万円
6億円超50%7,200万円

税率は累進課税となっており、遺産の金額が増えるほど税率も上昇します。

相続税申告までのスケジュールと納税方法

相続税の納税は、相続が発生してから10ヶ月以内に行う必要があります。

  1. 相続開始(故人の死亡)

    • 相続は、故人が亡くなった瞬間に開始されます。
  2. 遺産の確認と評価

    • 相続財産の内容を確認し、それぞれの財産の評価を行います。
  3. 相続人の確定

    • 法定相続人を確定し、必要に応じて相続の放棄や限定承認を行います。
  4. 遺産分割協議

    • 相続人間で遺産分割の協議を行い、分割方法を決定します。
  5. 相続税の計算

    • 遺産の総額から控除を差し引いて、相続税を計算します。
  6. 相続税の申告

    • 相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告を行う必要があります。
  7. 相続税の納付

    • 申告と同時に、またはその後に相続税を納付します。

税金の支払いは、通常は現金で行われますが、相続財産が不動産などの場合、物納(不動産などを国に納めること)を利用することも可能です。