遺言による遺留分侵害とその対策
遺言による遺留分の侵害は、被相続人が遺言で定めた内容が、法律で保護されている相続人の最低限保証されるべき財産(遺留分)を侵害する場合に発生します。
ここでは、遺留分の侵害とその対策について説明します。
遺留分とは
遺留分は、被相続人の配偶者、子、親(法定相続人)が相続により最低限受け取るべき財産の割合を意味します。
被相続人は遺言により財産の分配を自由に定めることができますが、遺留分は法律により保護されているため、相続人から遺留分侵害について請求を受ける可能性があります。
遺留分侵害の事例
遺留分侵害の一般的な例は、被相続人が遺言で特定の相続人に相続財産の大部分を遺贈し、他の法定相続人の遺留分を不足させる場合です。
例えば、全財産を友人に遺贈し、子どもに何も残さないような遺言がそれにあたります。
遺留分侵害への対策
遺留分が侵害された相続人は、遺留分減殺請求権を行使することができます。
これは、遺言によって遺留分が侵害された場合、遺留分を確保するために相続財産の一部を請求する権利です。
遺留分減殺請求の方法
遺留分減殺請求は、相続開始及び減殺すべき贈与又は遺贈のあったことを知ったときから1年又は相続開始のときから10年を経過したときは、することができなくなります。
遺留分侵害への対策としての遺言の工夫
遺留分を侵害する遺言書も法的に無効ではありません。遺言を書かれる方は、遺言を作成する際に遺留分という権利があることや、減殺請求という制度はよく理解した上で作成することが必要です。
遺言での財産分配が遺留分を侵害しないよう配慮したり、減殺請求を受けた際に支払いができるよう生命保険に加入してあげるなど配慮が必要となります。