相続が開始されると、故人の財産や負債を整理し、相続人が受け継ぐための様々な手続きを行う必要があります。
特に、期限が設けられている手続きもあり、遅れると延滞金やトラブルに発展する場合があるため、優先順位をつけて進めることが大切です。
ここでは、相続開始後にまず行うべきことと期限がある手続きについて説明します。
死亡届と葬儀手続き
相続が発生すると、まず行うべきは死亡届の提出です。
死亡届は、故人の死亡を知った日から7日以内に提出する義務があり、市区町村の役所へ届け出ます。
これに続いて、火葬許可申請も行い、火葬や葬儀を進めるための準備を行います。
また、葬儀にかかった費用は相続財産から差し引くことができるため、領収書を保管しておくことも重要です。
健康保険証の返却と年金受給停止手続き
次に、故人の健康保険証を市区町村に返却し、年金受給を停止する手続きを行います。
特に、故人が国民年金や厚生年金を受給していた場合は、受給停止を速やかに行う必要があります。
未支給分の年金を受け取るためには、申請が必要となるため、年金事務所などへ問い合わせて手続きを行いましょう。
金融機関への連絡と口座凍結の確認
故人名義の預貯金口座は、相続発生後に凍結されるため、金融機関への連絡も早めに行います。
この凍結は、不正な引き出しや資産の流出を防ぐための措置です。
その後、必要な書類を揃え、預貯金の解約や相続人への分配手続きを進めます。
この際、遺産分割協議書が必要になることもあるため、相続人全員で協議を行い、分割内容に合意しておくことが望ましいです。
遺産分割協議と相続放棄の期限
相続が発生すると、遺産分割協議を行い、遺産の分け方を決定する必要があります。
協議がまとまらない場合は調停や審判に進むことも可能ですが、期限がある手続きについても注意が必要です。
例えば、相続放棄や限定承認は、相続の開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所で申述する必要があります。
この期間を過ぎると、負債も含めた財産をすべて相続する単純承認となるため、注意が必要です。
相続税の申告と納税の期限
相続税の申告と納税は、相続が発生してから10か月以内に行わなければなりません。
申告が遅れたり不備があると、延滞税や加算税が発生することがあるため、申告期限は厳守が必要です。
相続税申告には、相続財産の評価や必要書類の収集が必要となり、手間と時間がかかります。
そのため、早めに相続財産の確認と評価を行い、専門家に相談することも検討しましょう。
期限のある手続きを意識して進めることが大切
相続開始後は、多くの手続きが発生しますが、特に期限が設けられている手続きについては早めの対応が求められます。
特に、相続放棄や相続税の申告は、期限を過ぎると不利な結果となる可能性があるため注意が必要です。
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