読み込み中

2号特定技能外国人および一部の1号特定技能外国人に対して日本語能力水準「B1相当以上」を求める時期が正式に決定しました。令和7年3月11日の閣議決定により制度の基本方針が定まり、在留資格認定証明書交付申請については令和9年4月1日以降の申請から適用されます。

日本語能力水準「B1相当以上」要件の要点

  • 2号特定技能外国人への「B1相当以上」要件は、令和7年3月11日の閣議決定により正式決定
  • 在留資格認定証明書交付申請への適用は令和9年4月1日以降の申請から(省令改正の施行日に連動)
  • 在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請への適用時期は現在検討中であり、決定次第公表される
  • 自動車運送業(バス・タクシー区分)・鉄道(運輸係員区分)の1号特定技能についても、同じく令和9年4月1日以降の認定証明書交付申請から「B1相当以上」が必要
  • 受入れ企業・登録支援機関は、外国人本人が令和9年4月1日までにB1水準を達成できるよう日本語学習支援を早期に開始することが重要

1. 2号特定技能とはどのような在留資格か

[挿し絵]

2号特定技能は、特定技能制度の中で「熟練した技能」を持つ外国人に付与される在留資格であり、在留期間の更新が繰り返し可能(上限なし)で家族帯同も認められる点が1号と大きく異なります。

特定技能1号・2号の主な違い

項目 1号特定技能 2号特定技能
在留期間 通算5年上限 更新により上限なし
家族帯同 原則不可 要件充足で可
支援計画 登録支援機関等による義務的支援あり 義務的支援の対象外
日本語要件 N4相当以上(分野により異なる) B1相当以上(令和9年4月1日~認定証明書交付申請に適用)
技能水準 相当程度の知識・経験 熟練した技能

2号特定技能は2023年に対象分野が大幅に拡大されました。出入国在留管理庁の公表資料によれば、建設・造船舶用工業の2分野に限られていた2号の受入れ対象が、介護を除く11分野に拡大されています(2023年6月閣議決定)。受入れ規模の拡大に伴い、日本語能力の担保が政策上の課題となりました。

2. B1相当以上の日本語能力を求める背景と経緯

[挿し絵]

2号特定技能外国人への日本語能力要件の設定は、長期在留・家族帯同という2号の特性に起因しています。地域社会での生活・就労を継続するうえで、一定以上の日本語運用能力が必要と判断されたためです。

CEFR B1とはどの程度の水準か

CEFR B1の定義(欧州言語共通参照枠)

CEFRは欧州評議会が策定した言語能力の国際的な指標です。B1は「自立した言語使用者」の入口レベルとされ、仕事・学校・余暇で出会う身近な話題について、標準的な話し方であれば要点を理解できる水準とされています。日本語能力試験(JLPT)ではおおむねN3相当とも対応づけられますが、試験によって判定基準が異なるため、公式に認定される試験・スコアは告示で別途定められます。

3. 「B1相当以上」を求める時期はいつから適用されるか

2号特定技能外国人への適用時期

令和7年3月11日に開催された「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」および閣議において、特定技能制度及び育成就労制度の基本方針が決定されました。これに伴い、2号特定技能外国人には日本語能力水準「B1相当以上」が求められることが正式に決定しています。

申請区分 適用時期
在留資格認定証明書交付申請 令和9年4月1日以降の申請から必要
(「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(平成二年法務省令第十六号)」の一部改正・令和9年4月1日施行に連動)
在留資格変更許可申請 現在検討中。決定次第お知らせ
在留期間更新許可申請 現在検討中。決定次第お知らせ

1号特定技能外国人(特定分野)への適用時期

令和8年1月23日に開催された「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」および閣議において、特定技能制度及び育成就労制度の分野別運用方針が決定されました。これに伴い、以下の分野・区分については日本語能力水準が「日本語能力試験(N3以上)」から「B1相当以上」へ変更されています。

  • 自動車運送業分野(バス運送業区分・タクシー運送業区分)
  • 鉄道分野(運輸係員区分)
申請区分 適用時期
在留資格認定証明書交付申請 令和9年4月1日以降の申請から必要
在留資格変更許可申請 現在検討中。決定次第お知らせ
在留期間更新許可申請 現在検討中。決定次第お知らせ

注意点:変更・更新申請への適用時期は未確定

在留資格変更許可申請および在留期間更新許可申請への「B1相当以上」の適用時期は、2号特定技能・1号特定技能(対象分野)いずれについても現在検討中です。確定情報は出入国在留管理庁の公式サイトおよび官報を随時確認してください。

4. 受入れ企業・登録支援機関が今から取り組むべきこと

令和9年4月1日という具体的な適用開始日が示された以上、受入れ企業と登録支援機関は外国人本人の日本語学習を早期にサポートする体制を整えることが重要です。当事務所にご相談いただくケースでも、「2号への移行を検討しているが日本語要件の準備をどう進めればよいか」という問い合わせが増えています。

日本語学習機会の確保

1号特定技能の義務的支援の一つとして「日本語学習の機会の提供」が定められています(出入国在留管理庁・一号特定技能外国人支援に関する運用要領)。2号への移行を見据えた場合、この支援をB1水準到達に向けた学習と連動させることが合理的です。

  • 在職中から日本語学習アプリ・教材の導入を検討する
  • 定期面談(月次等)の場で学習進捗を確認し記録に残す
  • JLPTや日本語NAT-TESTなど、将来的に認定される可能性がある試験の受験を促す
  • B1相当の試験合格までに必要な学習期間(個人差はあるが目安として数百時間単位)を逆算し、計画的に取り組む

支援業務の記録・日本語学習の管理を一元化するシステムを活用することで、面談履歴や学習状況を継続的に把握しやすくなります。ULALAを活用した支援業務の運営管理についても、こうした実務対応の観点から整備を検討する価値があります。

在留期間更新申請への影響

B1要件が在留期間更新時にも求められることとなった場合(適用時期は検討中)、更新申請の際に日本語能力を証明する書類(試験結果通知書等)の提出が必要になる可能性があります。特定技能ビザ申請と登録支援機関の業務連携を事前に整理しておくことで、更新時期を見落とさない体制を構築できます。

5. よくある質問(FAQ)

Q. 令和9年4月1日より前に認定証明書交付申請を行う場合、B1要件は必要ですか?

A. 令和9年3月31日以前の在留資格認定証明書交付申請には、現時点ではB1相当以上の日本語能力は求められません。令和9年4月1日以降の申請から適用されます。省令改正の施行日(令和9年4月1日)が法的な起算点となります。

Q. B1相当を証明するために使える試験はどれですか?

A. 認定される試験・スコアの一覧は告示で正式に定められます。現段階では日本語能力試験(JLPT)N3以上がB1相当の目安として言及されることが多いですが、告示前の情報であるため確定ではありません。施行後の公式告示内容を確認したうえで、外国人本人に受験を勧めることが必要です。

Q. 在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請にはいつからB1要件が適用されますか?

A. 2号特定技能・1号特定技能(対象分野)いずれについても、在留資格変更許可申請および在留期間更新許可申請への適用時期は現在検討中です。出入国在留管理庁から正式な発表があり次第、確認することが必要です。

Q. 登録支援機関は2号特定技能外国人の支援義務を負いますか?

A. 2号特定技能外国人は義務的支援(事前ガイダンス・定期面談等)の対象外とされています。そのため、受入れ企業が登録支援機関に支援業務を委託する必要はありません。ただし、日本語学習のサポートなどを任意で提供することは可能であり、B1要件への対応を見据えた場合に事実上のサポートが重要になります。登録支援機関の業務範囲と登録要件についても合わせてご確認ください。

Q. 受入れ企業が日本語学習を支援しなかった場合、在留更新が不許可になりますか?

A. 在留期間更新の許否は出入国在留管理庁が判断します。B1要件が更新申請にも正式に適用された後、外国人本人がその水準に達していない場合は更新に影響が生じる可能性があります。受入れ企業として外国人の日本語学習を支援することは、雇用継続の観点からも実務上重要な対応といえます。

6. 情報の根拠と確認先

【2号特定技能】令和7年3月11日「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」および閣議において、特定技能制度及び育成就労制度の基本方針が決定。これに基づき、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(平成二年法務省令第十六号)」の一部が改正され、令和9年4月1日に施行される。

【1号特定技能(特定分野)】令和8年1月23日「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」および閣議において、特定技能制度及び育成就労制度の分野別運用方針が決定。自動車運送業分野(バス運送業区分・タクシー運送業区分)および鉄道分野(運輸係員区分)の日本語能力水準が「N3以上」から「B1相当以上」へ変更され、令和9年4月1日以降の在留資格認定証明書交付申請から適用される。

詳細は出入国在留管理庁の公式サイトおよび官報の告示・省令を参照してください。

また、分野別の運用方針については各所管省庁(農林水産省・国土交通省・厚生労働省等)が定める分野別運用方針(特定技能運用要領)も確認対象となります。

まとめ

日本語能力水準「B1相当以上」要件の現状整理

  • 2号特定技能外国人への「B1相当以上」要件は、令和7年3月11日の閣議決定により正式決定済み
  • 自動車運送業(バス・タクシー区分)・鉄道(運輸係員区分)の1号特定技能についても、令和8年1月23日の閣議決定により「B1相当以上」へ変更済み
  • 在留資格認定証明書交付申請への適用は両制度とも令和9年4月1日以降の申請から(省令改正の施行日に基づく)
  • 在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請への適用時期は現在検討中。出入国在留管理庁の公式発表を随時確認すること
  • 受入れ企業・登録支援機関は、令和9年4月1日を目標に外国人本人のB1水準達成に向けた日本語学習支援を早期に開始することが実務上の重要課題となる
  • 在留更新申請への影響を見越し、特定技能ビザの申請管理体制と日本語学習の記録を連動させる運用設計が求められる
編集・掲載:行政書士法人ロータス
記事の内容とご自身の状況で判断に迷う場合は、個別にご相談ください。 / 相談窓口
無料相談・資料請求ご相談は
こちら